【10】シンガポールでの新型コロナウイルス(COVID-19)について(2020年4月3日午後12時点・速報情報追加中)

【速報】
本日16:00、リー首相、マルチタスクフォース(政府合同対策本部)が会見を開きました。感染拡大の防止のため、4月7日から5月4日まで、以下の強化措置が始まります。

  • 2020年4月7日より、下記の必要不可欠なセクターを覗き、全ての職場を閉鎖し、在宅勤務へ切り替えなければなりません。

・医療関連(病院、ケアサービスなど)
・フード関連(飲食店、カフェなど)
・エネルギー関連(電気・ガスなど)
・水道関連
・物流、倉庫
・情報、コミュニケーション
・警備
・建設、施設管理、公共インフラ
・必要不可欠な物資に関する製造業(ヘルスケア用品、セミコンダクターなど)
・銀行
・その他(指定のホテル、理髪店、修理業者、ランドリー、ペット用品など)

※フード関連は、テイクアウト、フードデリバリーのみ。テイクアウトの場合、容器は持参。

  • 2020年4月8日より、全ての学校は在宅学習になります。幼稚園は休園となります。(医療従事者の家庭など、例外対応あり)
  • 2020年4月5日から12日まで、全世帯に洗えるタイプのマスクを配布します。受け取り場所は、前回と同様、地域のコミュニティセンターです。専用サイトMask Go Whereで場所の詳細がアップ予定です。
  • 必要品の買い出し、公園での軽い運動(安全な距離が確保できる場合のみ)以外、基本的に外出禁止となります。

※詳しくは政府ウェブサイトにてご確認ください。

<記事本文はここから↓>

2020年4月2日と3日、国内で続けて4人目、5人目の死亡例が確認されました。

2日に亡くなられたのは、就労ビザを保有する68歳のインドネシア人男性で、1月20日~3月16日までインドネシアに滞在したことが判明しています。また糖尿病と高血圧を患っており、深刻な合併症を引き起こしていたそうです。

本日3日に亡くなられた方は、86歳のシンガポール人女性で、直近で目立った海外渡航歴はありません。1日に報告された、老人ホームLee Ah Mooi Old Age Homeのクラスターのうちの1人と見られます。

これまで国内で確認された5件の死亡例は、60代~80代で、殆どの方が心臓疾患や高血圧などの既往歴があることが判明しています。
改めて、身近な年配や高齢者の方へ感染リスクが広がらないよう、一人一人が気を付けて行動していきましょう。

日本人感染者について

4月2日に報告された感染者の中で、3人目の日本人感染者が見つかりました。(【速報】4月8日付で4人目の感染者が見つかりました)これまで見つかったうち、1人は既に退院されています。

  • ケース番号106:陽性判定3月1日 54歳 男性 就労ビザ 直近の渡航歴なし Wizlearn Technologiesのクラスターの1人、退院済み
  • ケース番号818:陽性判定3月28日 22歳 女性 就労ビザ 直近の渡航歴なし Wilby Residencesのクラスターの1人
  • ケース番号1036:陽性判定4月2日 42歳 女性 就労ビザ 直近の渡航歴なし 調査中
  • ケース番号1597:陽性判定4月8日 37歳 女性 就労ビザ 調査中

在星日本人でも、いつ無意識のうちにクラスターに巻き込まれるかわからない状況ですので、人混みや複数の人が集まるようなスポットはできるだけ避けましょう。

新たなクラスターの特徴

シンガポール政府は、3月から段階的に入国制限を行い、現在は全ての国からの旅行客は入国禁止となっています。そのため、最近では海外から持ち込まれる輸入型ケースが急速に減ってきました。

ところが新たにいくつかの国内クラスターが増えてきていますので、その特徴について、みていきましょう。

Safra Jurongでのディナー

現在、国内最大のクラスターは、西部にある軍のコミュニティ施設「SAFRA Jurong」内のレストランで行われたディナーです。(※詳しくは過去の記事をご確認ください↓)

47人の感染者が確認されましたが、現時点で34人が退院しています。またこのクラスターは、別のボルダリング場とBukit Timahの教会のクラスターともリンクしていたことが判明しています。

Fengshan PCF Sparkletots幼稚園

次に大きなクラスターと見られるのが、3月25日に報告された東部の幼稚園、Fengshan PCF Sparkletotsの職員やその家族です。27人の感染者が見つかっており、現在1人のみ退院しています。

また同日発表された、インターナショナルスクールDover Court International Schoolでも、8名の感染者が見つかっており、学校関係者の感染が一部広がっています

インド人・バングラディシュ人の寮

出稼ぎに来ているインド人、バングラディシュ人を中心としたクラスターが、以下3か所の寮で発生しています。

  • S11 Dormitory @ Punggol:3月30日判明 インド人8名、バングラディシュ人5名
  • Westlite Toh Guan dormitory:3月31日判明 インド人2名、バングラディシュ人8名
  • 55 Sungei Kadut Loop dormitory:4月1日判明 バングラディシュ人3名

一部屋を複数人で共有する寮という性質上、発生したクラスターと見られます。

ムスタファセンター

日本人観光客でもおなじみ、リトルインディアにある24時間営業のショッピングセンターMustafa Centre(ムスタファセンター)で、4月2日、11人のクラスター感染が発見されました。

この中には、海外から来た輸入型の感染者も発見されており、国籍はシンガポール人、マレーシア人、インド人、バングラディシュ人と様々な人が感染しています。

老人ホームLee Ah Mooi Old Age Home

4月1日に報告された、老人ホームLee Ah Mooi Old Age Homeのクラスターでは、12人の感染者が見つかっています。

残念ながら、そのうちの1人は本日4月3日に亡くなられました。このクラスターには、国内最高齢の102歳の感染者も含まれています。

その他

また3~8人程度のクラスターの報告例として、以下の場所からも発見されています。

  • シングポストセンター(Eunos Road)
  • Masjid Al Muttaqinモスク
  • ケッペル造船所
  • Maxwell地下鉄工事現場
  • Hero’sバー
  • Wilbyレジデンス
  • 婚礼サービス会社The Wedding Brocade

年齢や国籍関係なく、様々なところで感染リスクが発生していますので、外出から戻ったら、必ず手洗い・うがいを徹底するなどして、自分の身や家族をしっかり守っていきましょう。

職場の抜き打ち検査の実施

現在シンガポール人材開発省(MOM)は、国内企業を抜き打ちで訪問し、以下の点などをチェックしています。

  • 適切に清掃がなされているか
  • 在宅勤務の努力義務を怠っていないか
  • 職場の机や椅子の配置は安全性を保つ距離になっているか

4月2日の発表によれば、これまで850以上の企業を抜き打ち訪問し、129社に営業停止命令、260社に改善命令を出したとのことです。

このルールは、企業規模に関係なく、全ての企業が常時対応するものとして定められています。オフィス系ワークのみならず、工場、建設現場などにも訪問をしていくようです。突然の訪問に備えておきましょう。

今週もローカル感染数の増加、死亡例など、様々なニュースがありました。

しかしシンガポール政府は、1月に初めて見つかった輸入型の感染者から、2月の国内感染増加(第一波)、3月の輸入型感染の増加(第二波)と、先を見越した封じ込め体制で、これまで医療崩壊や都市封鎖を招くことなく乗り越えてきました。

今、新たな国内感染増加の”第三波”のフェーズに差し掛かっていますが、一人一人の意識・責任ある行動が積み重なれば、より回復への道は近くなります。引き続き、気を引き締めて頑張っていきましょう。

(参照元)

(参照元追加)