シンガポールでの新型コロナウイルス(COVID-19)について(2020年3月11日午前8時時点)

2020年3月11日現在、新型コロナウイルスに関するシンガポールの国内状況は、感染者の累計総数166名、そのうち93名が既に退院し、現在治療中の感染者は73名(うち12名が集中治療室)となりました。

2月下旬から3月にかけて落ち着いてきたかと思われた国内状況ですが、新たな集団感染の発覚や、海外からの旅行客の感染例が増えてきたことなどから、今週に入り、感染者の数はまた急激に増加しています。

既にリモートワークに切り替えたり、日頃の活動を自粛している方も多いと思いますが、毎日の手洗い・うがいなど、引き続き一人一人が油断しないよう、基本的な衛生管理に努めていきましょう。

今週のアップデート情報です。

1.SAFRA Jurongの集団感染

2020年3月11日午前8時現在、シンガポール国内最大の集団感染は、西部にある軍のコミュニティ施設「SAFRA Jurong」で発生しました。2月15日、同施設内にあるジョイ・ガーデン・レストランで、200人規模の旧正月ディナーが行われ、参加者やその家族など、39名の感染者が見つかっています。

同イベントは、福建語の歌の講師が主催。多くの参加者は年配層の生徒と見られます。プロの歌手グループがステージパフォーマンスで場を盛り上げ、参加者も自由にテーブルを行き来するスタイルだったということです。

また参加者の中には、地域のコミュニティセンターで、歌のクラスを受講していた生徒もいたため、保健省は急遽、政府が管轄する施設で行われるシニア向けの全てのクラブ活動を、3月11日~24日まで一時中止にすると発表しました。

同イベント参加者の中には、感染の症状が出ていたにも関わらず、イベント後にその他の活動へ参加したり、仕事へ行った感染者もいたため、保健省は改めて、体調不良の場合に活動を自粛するよう注意を促しています。

2.今後の対策について

2020年3月10日に行われた記者会見にて、国家開発大臣ローレンス・ウォン氏は、シンガポールの次の対策について言及しました。

現在、他国で急速に感染が拡大していることを懸念し、入国制限で阻止できるレベルではないことを示唆しつつ、今後はシンガポール国内での社会活動の制限を強化していくと述べました。

その要因の一つが、直近で発見された2つの集団感染(Wizlearn Technologies社、SAFRA Jurong)での調査結果です。

この2つの集団感染では、一部の人が体調不良だったにも関わらず、通常業務を継続したり、イベント参加をしていたことが判明しています。

そのため、地域のコミュニティセンター等での活動中止の他、イベント延期、勤務体系の調整、宗教的な集まりの中止、学校閉鎖など、場合によっては、より強力な措置を講じる可能性があると述べました。

ただし、あまりにも早くから全てを制限してしまうと多くの人が疲労してしまうため、状況を見ながら適切なタイミングで行うとのことです。

3.風邪のような症状があった場合

シンガポール政府では現在、COVID-19の早期発見から適切な処置を行うため、本日時点で国内912カ所のクリニックを指定しています。

もし咳や熱など、風邪っぽい症状がある場合は、下記ウェブサイトから最寄りの指定クリニックを探し、診てもらいましょう。(シンガポール人・PRは一律10シンガポールドル、高齢者は一律5シンガポールドルです。)

シンガポール政府は、COVID-19にかかるウイルス検査は全て無料で行っています。

治療費についても、シンガポール人、PR、長期滞在者(就労ビザ保有者等)は無料ですが海外からの旅行客においては、全額自己負担です。

この時期にシンガポールに旅行を検討している方は、旅行保険のカバー範囲について、充分チェックしてから判断されることをお勧めします。

4.3月12日更新情報!MOM(労働局)の通達

2020年3月11日付で、シンガポール労働局(MOM)、全国労働組合(NTUC)、全国雇用者連合(SNEF)は共同で、COVID-19による労働市場への影響に対する懸念から、雇用主向けの通達を発表しました。

・通達の主なポイントは以下の3つです。

‐ 2020年3月12日より、10人以上の従業員を持つ雇用主は、従業員の減給等の人事コスト削減をする場合、MOMへ事前に申告しなくてはならない。経済状況が回復するまでの一時的措置とする。

‐ フレキシブル・ワーク・スケジュール(FWS)を実施することを許可する。FWSとは、「タイム・バンク」制を導入して、週当たりの実働時間を減らし、将来発生した残業代と相殺できる仕組み。 事前に従業員もしくは労働組合と話し合い、不利益が生じないよう、相殺するレートについて合意が必要。

‐ COVID-19で経済活動が縮小される間、従業員の研修やスキルアップを推奨。例えば、政府の2020年予算内の「安定サポートパッケージ(Stabilisation and Support Package)」における助成金スキームでは、主にCOVID-19で最も打撃を受けているホテル、小売、飲食、観光、航空業界向けに特化した様々な研修プログラムを新たに追加し、サポート期間を既存の3か月から6か月まで延長(※)。

※詳しくは職業訓練プログラム”SkillsFuture Singapore”のウェブサイトをご参照ください。

COVID-19の状況に応じて適用期間は未定のため、詳しいアップデート情報を随時MOMのウェブサイトにてご確認いただくことをお勧めします。

まだまだ予断の許さない状況ですが、シンガポール国内の感染対策は、WHOやその他の研究機関からも称賛されているように、徹底した調査が行われ、政府が殆どのケースを把握していると見られます。

ただし一人一人が社会的責任を負い、体調不良の場合に無理な活動はやめ、衛生管理を引き続き意識していくことが必要不可欠であり、引き続き政府や医療機関の方針に従って頑張っていきましょう。

(参照元)

・シンガポール保健省HP:
“News Highlights – 10TH MAR 2020”
“ADDITIONAL PRECAUTIONARY MEASURES TO PROTECT OUR SENIORS”

・ザ・ストレーツ・タイムズ紙:
“Coronavirus cases in Singapore: What we know so far”
“Coronavirus: 6 new cases confirmed, 3 linked to Safra Jurong cluster; 12 in critical condition”

・シンガポール政府記者会見内容:
“Remarks by Minister Lawrence Wong, Co-chair of the Multi-Ministry Taskforce on COVID-19, at Press Conference at National Press Centre on 10 March 2020”

(参照元追加:2020年3月12日)

・シンガポール労働局HP:
“Tripartite partners update advisory on managing excess manpower and responsible retrenchment in view of COVID-19”