こんにちは。ライターEtsuma(@Etsuma2)です。今回は、シンガポール在住日本人の中でも、日本へ本帰任もしくは他国への横異動を控えた、駐在員の方向けの情報です。
ご家族帯同で赴任されている方の中で、時々耳にするのは、「帰任命令が出た時、子供が学校を卒業するまで、妻と子供だけシンガポールに残せないか?」といったお悩みです。
駐在員の方の場合、会社がスポンサーとなり就労ビザ(EP/S Pass)を保有し、ご家族はその配偶者ビザであるDPを保有しているケースが殆どです。
しかし帰任命令が出て就労ビザが停止されると、自動的に配偶者ビザも停止となり、滞在ステータスが失効となってしまいます。
そのような場合、ビザの切り替えが必要となります。今回は、ご家族をシンガポールに残すために必要なビザについて、解説していきます。
ビザの切り替え

まず最初に、子供のビザをDPから「学生ビザ(Students Pass)」へ切り替えます。学生ビザの手続きは、シンガポール入国管理局(ICA)のウェブサイトから申請を行います。
申請手続きは、学校が直接サポートしてくれる場合もありますので、英語が不安な方は、学校にまず相談しましょう。
子供が学生ビザを取得した後、シンガポールに残る母親は、保護者用の「長期滞在ビザ(LTVP)」を申請します。LTVP取得の要件として、子供が学生ビザを保有していることが前提となりますので、必ず(1)学生ビザ→(2)LTVPの順番で取得します。
しかしLTVPの取得には、シンガポール人もしくはPRのスポンサーが必要となります。また申請手続きは、LTVPを取得したい本人ではなく、スポンサー自ら行わなければなりません。
では、スポンサーとして信頼できるシンガポール人やPRの人が身近にいない場合はどうしたらよいのでしょうか?
スポンサーを得る方法

いくつか方法はありますが、やはりLTVPサポート専門エージェントに依頼する方法が最も安全です。その理由は、下記のようなリスク回避ができるからです。
リスクその1:会社のローカル従業員にスポンサーをお願いするケース
・・・依頼された側の受け取り方次第では、パワハラ認定される可能性があります。MOMへの通報リスクもありますので、極力避けましょう。
リスクその2:知り合いのローカル人にスポンサーをお願いするケース
・・・LTVP保有者や子供が事故・事件等に巻き込まれた際、スポンサーは真っ先に対応をしなくてはなりません。信頼性を見極めて人選する必要があります。
その他の共通リスクとして、スポンサー経験のない人に依頼した場合、スポンサー自身がLTVP申請手続きに不慣れで、書類不備や日程調整で遅れが生じ、DPの失効までにLTVPの取得が間に合わなかった・・・という最悪のケースもあります。
こうしたリスク・不安を伴わないためにも、やはり専門エージェントにスポンサーを依頼する方法が最も安全といえます。
シンガポールには、いくつかエージェントが存在しますが、日本人サポートの実績で定評のある会社を一社ご紹介します。
スマイルアジアビジネスセンターでは、無料相談、申請手続き、シンガポール入国管理局への同行まで、全て日本人の方が親切に対応してくれます。
今回、実際にコンタクトを取ってみたところ、無料相談や見積もりは全て、メール、電話、Zoomミーティング等、ご希望の形で日本語で対応されているとのことでした。
LTVP取得で悩まれている方は、コンタクトしてみてはいかがでしょうか。
手続き上の注意点

LTVP申請には、パスポートや学生ビザ両面コピーなど、いくつかの必要書類がありますが、その中でも、「証明書」関連書類の準備は注意が必要です。
出生証明書、結婚証明書は英文の物が必要になるため、日本大使館へ申請しなくてはなりません。
2021年9月現在、日本大使館は予約制となっており、希望の日時にすぐ行って手続きができるというわけではありません。予約が数週間先になることもありますので、スケジュールにはくれぐれも気を付けましょう。
全ての書類を揃えて提出した後、IPA(In- Principle Approval)という許可証が発行されます。このIPA取得の次に行うことは、健康診断です。
健康診断も予約が必要で、クリニックによっては希望の日時で取れないこともあるため、余裕を持ったスケジュール感が必要です。
無事に健康診断結果が出た後、最後にスポンサーと共にシンガポール入国管理局(ICA)へ行き、LTVPカードを受け取らなければなりません。しかしICAも予約制となっており、数週間埋まっていることもあります。
書類の準備→健康診断→ICAと、全て予約のタイミング次第では、DP失効まで間に合わなくなる可能性もありますので、逆算して余裕を持って準備を進めましょう。
その他の注意点

以前本サイトにて、LTVP保有者の就労方法について記事を書きましたが(↓)、学生ビザの保護者用のLTVPには、就労は許可されていません。
また保護者用のLTVPは、学生ビザを持つ子供の「母親」か「祖母」でないと取得できないため、妻の駐在で帯同している夫がDPからLTVPに切り替えることはできません。
LTVPの中にも異なる種類・条件がありますので、混同しないよう注意が必要です。
今回ご紹介した保護者用のLTVPですが、最近では、子供の学業を優先したいという理由以外にも、様々な事情があるようです。
例えば、異動先の国が政情不安だったり、コロナ感染状況が悪化しているため、落ち着くまで家族をシンガポールに待機させておきたい、というケースです。
LTVPは基本的に会社のサポートが無く、全て個人で負担する形になりますので、しっかりとご家族で話し合い、必要に応じて専門家に相談されることをオススメします。
(参考元)
- シンガポール入国管理局(ICA)
“Becoming a Long-Term Visit Pass Holder” - スマイルアジアビジネスセンター
“保護者ビザ(LTVP)取得”