【13】シンガポールでの新型コロナウイルス(COVID-19)について(2020年4月21日午後12時点・17時速報あり!)

2020年4月7日に始まった、シンガポールの自粛期間「サーキット・ブレーカー」。2週間が経ち、ようやく折り返し時点まで来ました。

皆さんもご存知のように、ここ数日、インドやバングラディシュからの出稼ぎ労働者の寮を中心に、新規感染者数が激増しています。

国内感染者の累計は8000人を超え、医療従事者を始めとする、最前線に立つスタッフへの負担が懸念される中、果たしてサーキット・ブレーカーは5月4日で終了を迎えるのか?

今回は、現在の国内状況アップデートと、自粛期間の今後の見通しについて書いていきます。

【速報】先ほどリー首相のビデオ声明にて、サーキット・ブレーカーが6月1日まで延長することが決定しました。

▽サーキット・ブレーカー延長に関する追加情報(※以下のルールは5月4日まで実施となります。)

・買い物や運動のための外出は、一人で行う。(買い物は家族で代表一人、など)
・ミッド・イヤースクールホリデーは5月5日から前倒しでスタート。(6月から再開できた場合、7月20日~26日にも、短いホリデー期間を設置予定。)
・4月21日23:59以降、理髪店、美容院、飲料や菓子、パンやケーキ等のみを販売するお店は、営業停止。
・全てのスーパー、モールで検温チェックを実施。
・メガネ店は予約客のみ対応可。
・ペット用品店、クリーニング屋は閉店し、オンライン営業・配達のみ可。
・以下の4つのマーケットは、NRIC/FIN番号の最後の番号によって、来店できる日が奇数・偶数どちらかになる。
Geylang Serai Market
Chong Pang Market
Block 20/21 Marsiling Lane
Block 505 Jurong West Street 52

政府は会見の中で、一日あたりの感染者数が一桁台になれば、規制は緩和される可能性があると言及しています。まずは5月4日までの2週間、いい結果が出るように頑張りましょう。

4月の感染者数推移

4月に入り、新規感染者が激増しているシンガポールですが、実は他国と比べると、重症患者数・死者数は、低い割合で抑え込んでいます。

下記のグラフは、シンガポール保健省(MOH)のデータを元に、Asiarian編集部で作成した統計グラフです。4月に入ってからの新規感染者数と、ICU(集中治療室)患者数・死者数の推移を表しています。

サーキット・ブレーカーが開始した4月7日以降、新規感染者数は急激に伸びていますが、ICU患者数・死者数は、2桁台の低い数値で推移しているのが分かります。

これには2つの理由があります。

重症者の割合が少ない理由1

1つ目は、クラスターが発生している出稼ぎ労働者の寮で、政府が積極的に検査を実施しているためです。

寮は1部屋12人前後でシェアするのが一般的で、こうした集団生活を送っている出稼ぎ労働者は、国内で約32万人いるとみられています。

4月20日の発表によれば、現在確認されている感染例の4分の3が、寮のクラスターの感染者と判明しています。そのため政府は、検査を積極的に実施することで健康な労働者と陽性者をいち早く分離し、感染の連鎖を食い止めようとしているのです。
(※詳しくは前回の記事をご参照ください)

重症者の割合が少ない理由2

2つ目の理由として、シンガポールは初期の段階から、保健省と警察が協力し、感染経路の調査とクラスターの特定に注力をしてきた点があります。

感染者のみならず、感染の疑いがある濃厚接触者にも監視を徹底してきたため、軽症の段階で適切な隔離・必要な治療を行い、重症者の数を抑えてきたことが影響しています。

上記の理由から、今後しばらくは感染者数は急増すると見込まれますが、既に建設業に携わる労働者は全員14日間の自宅待機(SHN)に入っており、またサーキット・ブレーカー期間中のため、他のコミュニティからはクラスターが生まれにくい状況にあるといえます。

過度に怖がる必要はありませんが、できる限り外出はせず、必要な時はマスク着用、他人との距離に注意し、帰宅時の手洗いを徹底するなど、一人一人ができる事を頑張りましょう。

サーキット・ブレーカーの終了まで

【速報】リー首相のビデオ声明にて、サーキット・ブレーカーが6月1日まで延長されることが決定しました。以下の記事は、発表前に書いたものになります。

4月18日、リー首相は自身のフェイスブックページにて、サーキット・ブレーカーの効果が少しは見えているものの、まだ判明していない感染ケースに警戒をしていることを示唆しました。

専門家の意見によれば、COVID-19の陽性者で、症状が現れて人に移しやすい期間はだいたい5日前後であるとのこと。

仮にサーキット・ブレーカー開始時に感染した人がいた場合、通常であれば、2週間たった現時点で、人から人への感染の機会は3サイクル相当あったと想定できます。

つまり、これからの数日間が、サーキット・ブレーカーが有効であったかどうか、このサイクルを断ち切ることができたかどうか、その結果が見えてくるとのことです。

4月14日の会見にて、ガム・キムヨン保健相は、もし5月4日でサーキット・ブレーカー期間が終了しても、自粛制限は一度に完全に解除されないと断言しました。必要であれば延長する可能性や、一部の自粛を強化する一方、段階的に緩和する対象を広げるなど、5月4日以降も徐々に調整を図っていくものとみられます。

折り返し時点にはなりますが、あと2週間で、生活やビジネス環境が100%元通りになるわけではありませんので、長期的なスパンを覚悟して準備をしてきましょう。

コンド居住者への罰金刑

4月20日の報道で、コンドミニアムの居住者が4名、COVID-19措置法に違反したとして、それぞれ300ドルの罰金を取られていることが判明しました。

違反内容は、コンドミニアムのプールの使用ジムの使用メインエントランスでマスクを着用していなかったことが見つかってしまったことです。

コンド内であっても、外出する際にはマスクの着用が義務付けられていますので、エントランスでタクシーを待つ間なども、マスクの着用を忘れないようにしましょう。

またコンドミニアムへ訪問者を招待することも禁止されていますので、見られていなければ大丈夫、といった安易な気持ちで、友人・知人を呼ぶことはやめましょう。

以上、本日のアップデートになりますが、残りのサーキット・ブレーカー期間で良い結果を導けるよう、引き続き、自粛生活を頑張りましょう。

(参照元)

(追加参照元)