シンガポールの代表的なローカルフードといえば、チキンライスと並んで真っ先に名前が挙がるのは「肉骨茶(バクテー)」ですよね。
柔らかい骨付きの豚肉が入ったスパイスたっぷりのスープは、疲れた体の活力源となる強力なパワーフード。しかし“バクテー”と一言で言っても、いろいろな種類があるのを知っていますか?今回はシンガポールで食べられるおススメのバクテーと、そのルーツについてご紹介します!
バクテーのルーツ
バクテーは、1930年~1940年頃にマレーシアのクラン(Klang)という港町で誕生したと言われています。
当時イギリス領だったマレーシアには、”苦力(クーリー)”と呼ばれる中国からの出稼ぎ労働者が多く住んでおり、クランの港で重労働をさせられていた苦力のために、福建省の郷土料理をベースに作られたものがバクテーのルーツとされています。
バクテーのスープがお替り自由なのは、こうした低賃金労働者たちを労うために生まれたサービスの名残なのかも(?)しれません。
※注意…現時点で、マレーシアにバクテーの発祥地としての明確な記録が存在しないため、そのルーツがシンガポールであるという主張もあり、現在も論争は続いています。

バクテーの種類
バクテーには、大きく分けて以下の3種類があります。
- 潮州(Teochew)スタイル…色はうす目。コショウとニンニクベース。
- 福建(Hokkien)スタイル…醤油ベースで黒っぽい。
- 広東(Cantonese)スタイル…薬膳風。漢方ハーブや野菜、油揚げなどが入っている。
伝統的なバクテーはこの3種類ですが、中には”汁なしバクテー”や、豚肉の代わりにエビなどの魚介類を入れた”シーフード・バクテー”という珍しいタイプのものもあります。
おススメのバクテー専門店
発起人肉骨茶(Founder Bak Kut Teh)
シンガポールで最もよく見られるのは、”潮州スタイル”のバクテーですが、その中でも1978年に誕生したバクテー専門店「発起人肉骨茶(Founder Bak Kut Teh)」はローカル人にも観光客にも大人気です。
創業者こだわりの新鮮な骨付き肉と独自に調合したコショウベースのスープで、クセになる辛さが特徴です。辛いのが苦手、という人は、ライスにかけてお茶漬けのようにして食べるのもアリです。
◎お店のホームページ

奇香巴生肉骨茶(Kee Hiong Klang Bak Kut Teh)
一方、通称”ブラック・バクテー”と呼ばれる福建スタイルのバクテーですが、ローカルの人々に人気の専門店がチャイナタウンのPeople’s Centreの一階にあります。
「奇香巴生肉骨茶(Kee Hiong Klang Bak Kut Teh)」というお店で、バクテー発祥といわれているマレーシアのクランに本店があります。特徴は独特の醤油ベースのスープで、まったりと深くて甘みのある味が特徴です。
このお店には、汁なしバクテーといった珍しいメニューもあるので、普通のバクテーに飽きてしまった方には、試してみる価値アリです。
◎お店のホームページ

さて、いつも皆さんが食べているバクテーはどのスタイルだったでしょうか。
シンガポールにはいろいろなバクテー専門店がありますので、ぜひスタイルの違うバクテーを食べ比べてみてください♪