【22】シンガポールでの新型コロナウイルス(COVID-19)について(2021年5月4日午後12:00時点+19:00速報追加!)

※本記事は、2021年5月4日午後12:00時点の情報を纏めたものでしたが、本日19:00にシンガポール政府より更なる強化措置が発表されましたので、追加の変更点について、急遽赤字で情報を補填しています。少々読みにくい部分もありますが、内容に注意してご覧ください。

こんにちは。ライターEtsuma(@Etsuma2)です。今回は、約2か月ぶりのCOVID-19関連情報をお届けします。

シンガポール在住者の方は既にご存知かと思いますが、シンガポール政府は4月30日、COVID-19対策ルールを厳格化することを発表しました。4月末に発見されたタントクセン病院のクラスターを始め、ここ数日間、市中感染が増加しているためです。

主な変更内容は、人との集まりの回数制限、商業施設の収容制限の強化などで、適用期間は5月1日~14日(※追加措置を含めたルールの適用期間は、5月8日~30日迄)となっていますが、市中感染の広がりを抑えることができなければ、更なる厳格化の可能性があることが示唆されています。

一方で、シンガポールの累計ワクチン接種回数は220万回に上り、2回全ての接種が完了している人は84万人を超え、人口の約15%が完了していることになります。

新型コロナウイルス対策の優れた国として、世界の評価を集めるシンガポールですが、約9か月ぶりに発生した市中感染の広がりを抑えることはできるのでしょうか。

今回は、COVID-19対策ルールの変更、国内クラスターの状況、マレーシア・香港との国境再開について、アップデートしていきます。

COVID-19対策ルールの変更(速報追加!)

シンガポールでは、2020年12月28日にフェーズ3が開始となり、現在も、集会の人数制限やマスク着用義務等、様々なルールが継続中ですが、生活に大きな影響が出るほどの厳しい制限はなくなり、不便さを感じることは少なくなっていたのではないでしょうか。

しかし今回の追加措置にて、シンガポールは実質「フェーズ2」の状態へ戻る事が決まりました。本日発表された変更点も含め、新しいルールは以下の通りです。(※4月30日に発表された内容は黒字・5月4日に発表された追加点は赤字で記載しています。)

今回の変更内容
  • 人との集まりは、1回につき最大8人5人迄・1日2回迄に制限
  • 商業施設の収容人数は65%→50%迄
  • Lucky Plaza・Peninsula Plazaは、日曜日の入館数を個人識別番号の下一桁の偶数・奇数で制限
  • BBQピットの使用禁止
  • 企業は可能な限り在宅勤務→在宅勤務可能な従業員の出社率75%→50%迄
  • ライブパフォーマンスや一部のビジネスイベントの収容人数を750人→250人迄
  • 博物館や図書館の収容人数は65%→50%迄
  • ツアー人数は最大50人→20人迄
  • インドア型ジム・フィットネススタジオの閉鎖(※条件を満たせば一部継続可能)
  • アウトドア型のエクササイズクラスは、最大30人まで可能
  • スポーツイベントは無観客で実施
  • TraceTogetherアプリかトークンによるチェックイン義務の施行は、6月1日→5月17日に繰り上げ
  • 50人以上の結婚式、100人以上の集会礼拝は事前PCRテスト必須
  • 葬式参加者は30人迄
  • 5月7日23:59以降、直近の渡航歴チェック14日間→21日間へ拡張
  • 日本を含む高リスク国からの渡航者は、政府指定施設で入国後隔離14日間→21日間へ延長(※詳しくは、シンガポール移民局の国別一覧表費用の詳細をご確認ください。)

またしばらく、病院に通う際には注意が必要です。保健省は国内全ての病院へ、クラスターが発生したタントクセン病院からの患者受け入れについて、準備を行うよう要請を出しているからです。緊急ではない手術や治療を延期したり、リモートで診断を行う場合がありますので、現在通院中の方は、担当医に治療へ影響があるかどうかを確認しましょう。

クラスターの状況

5月2日時点で、シンガポール国内で発見されているクラスターは、以下の9件となっています。

シンガポール国内クラスター
  • タントクセン病院(Tan Tock Seng Hospital)
  • シンガポール入国管理局職員(チャンギ空港ターミナル1)
  • インド人家族
  • 移民ワーカーの寮(Westlite Woodlands Dormitory)
  • バンカータンカー船員
  • OM Universal社
  • シンガポール国立大学(NUS)
  • パプアニューギニアからの渡航者とその同僚
  • コミュニティケア施設(TUAS SOUTH)

この中でも、5月3日時点で35人の感染者が発見されたタントクセン病院は、国内最大のクラスターとなっています。このクラスターから、同病院に入院中だった88歳の女性が亡くなり、国内31人目の死亡例となりました。

保健省のウェブサイトでは、4月19日以降、感染者が訪問した場所のリストが公開されています。中心部や郊外など、市中感染リスクが多方面に広がりつつあることがわかります。

今後の増え方次第では、更なるルール厳格化も考えられますので、油断することなく、一人一人が感染対策をしっかり守りましょう。

マレーシア・香港との国境再開について

シンガポールとマレーシア両国は5月2日に会談し、5月17日から、マレーシア・シンガポール間で、一部条件付きで入国制限が緩和されることが決定しました。

これまで、シンガポールとマレーシア間は、「相互グリーン・レーン (RGL)」合意に基づき、商用・公用目的に限り、一部入国が許可されていました。今回は「温情的措置」として、重篤状態の家族への面会や、葬儀への参加など、特別な理由がある人への制限緩和となります。入国後のPCR検査や隔離は引き続き必要で、手続きを含めた詳細情報は、のちほど両国の入国管理局から発表される予定です。

シンガポールと香港では、5月26日より、入国後の隔離無しの渡航モデル「トラベル・バブル」が再開される予定です。昨年11月に一度延期となってしまいましたが(↓詳しくは過去の記事をご参照ください)、前回よりも条件を厳格化して実施することになりました。

とはいえ、感染経路不明な市中感染が1日5人を超えた場合は、トラベル・バブルは中止となります。

前回は、実施直前に香港で感染者が増加したため中止となりましたが、現在、シンガポールでも市中感染が増えているため、約3週間後に控えたトラベルバブルが実施されるかどうか、今回も見通しが難しい状況です。

さて、約9か月ぶりに市中感染の広がりに直面するシンガポールですが、今年はワクチン接種が順調なペースで普及していますので、怖がりすぎることなく、一人一人しっかりと感染対策を意識して、普段通り生活していきましょう。

(参考元)

(追加の参考元)