シンガポール人の健康維持に欠かせない「涼茶」とは!?漢方薬をもっと身近に取り入れよう☆

皆さんは、シンガポールの街角で「涼茶」と書かれた看板を目にしたことはありませんか?

涼茶とは漢方薬を煎じたお茶のこと。シンガポールには中心地から郊外に至るまで、多くの涼茶ショップ・漢方薬局ドリンクスタンドが点在しています。

筆者はシンガポールに来て2年目の頃に気管支系の病気を患い、回復後もしばらく慢性的な咳と痰に悩まされました。

当初は一般的なクリニックで咳止め薬を処方してもらっていました。しかし西洋医学の薬には化学物質が多く含まれ、中には副作用が重いものもあり、薬を飲み続けるだけで体に負担がかかります。

そんな時、ふと家の近所でチェーン展開をしている漢方薬局で、シンガポール人達が”涼茶”のペットボトルを買っていくのを見たんです。そして「私も試してみよう」と思ったのが漢方薬へ転換するきっかけとなりました。

今回は、そんなシンガポール人達にとって身近な漢方薬局と涼茶についてご紹介します。

涼茶の選び方

シンガポールで涼茶を試すなら2パターンあります。

  1. 街角の漢方薬局
  2. 漢方デザートと一緒に楽しめる喫茶店のようなお店

1つは街角の漢方薬局、もう1つは亀ゼリーなどの漢方デザートと一緒に楽しめる喫茶店のようなお店です。

写真はシンガポール国内で多数店舗展開している漢方薬局「Hockhua Tonic (福華補品)」です。

ここは常時いろいろな種類の涼茶がペットボトルにして売られています。涼茶はどれもほんのり甘くて飲みやすくておススメです。

日本でも馴染みのある「葛根湯」や、ダイエット品として注目を集める「羅漢果茶」を始め、常時10種類以上を取り揃えています。どれも一本2ドル前後〜5ドルくらいですが、名前を見ただけでは何に効能があるのかよくわからない方も多いと思います。

漢方薬の場合、私達日本人が日頃使う漢字をそのまま使うため、「咳」「痰」「喉」「熱」と、文字を読めば基本的に理解できますが、やはり売り場の店員さんにアドバイスをもらうのがより安全な方法です。

涼茶売り場の店員さんに「cough(咳)やphlegm(痰)に効くのはどれ?」と聞くと、大抵「こっちよりこっちが効く!」とか「別売りの漢方薬パウダーを混ぜたいか?」など、いろいろ教えてくれます。

「すぐ飲むといえば」店員さんが症状に合わせて最適なパウダーを選び、その場で混ぜてくれます。

別売りの漢方薬パウダーは一袋2ドルほどで「Remedy Powder」と呼ばれます。すぐに水に溶けるように細かく煎じてあり涼茶の味そのものには影響しないので、飲みやすさは変わりません。

こちらは「川貝杏仁茶」= Amond Figs Teaと呼ばれ、咳、痰、美肌に効果があると言われています。味は少し癖のある甘さですが、飲んだ後はしばらく喉が潤います。シンガポールのエアコンの冷気で喉を痛めた方にはおススメです。

このほか、美肌効果の「金銀花茶」や「菊花茶」など、普段から取り入れやすいお茶も沢山あります。ぜひ一度気軽に覗いてみてください。

老舗薬局ならチャイナタウンへ

漢方薬を日頃から愛用してきた上級者の方々には、やはり中国からの移民が多く老舗薬局が立ち並ぶチャイナタウンに行くのがおススメです。

チェーン店でない場合、各店オリジナル配合の涼茶を売っているところがほとんどです。しかしチェーン店には取り揃えていないものもあり、値段もチェーン店より安いので、お店の人に相談してその場で作ってもらうのもアリです。

チャイナタウンのHong Lim Complexの一階にある「宏昌参茸药行私人有限公司 (FONG CHEONG (PTE) LTD) 」

住所:531, Upper Cross St (Hong Lim Complex), #01-56 Singapore 050531

老舗の漢方薬局で、このお店で売っている24種類の漢方薬を配合して作ったという涼茶”Herbal Cooling Tea”(※写真右)。これは、とにかく苦い(!)ですが、体内をクールダウンさせてくれる効能があります。

風邪はもちろん、夏バテにも大変効き目があります。

漢方薬の値段の相場は?

日本では漢方薬と聞くと「高い」というイメージがありますよね。「実際いくらが相場なのか?」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。

シンガポールでも、実は漢方薬はそれほど安くありません。漢方薬の種類にもよりますが、一回に飲む一包2~4gで、だいたい1.5~2ドルです。毎日三食後に服用したら、一日あたり6ドル前後、一か月に換算すると100ドルは超えてしまいます。

しかし涼茶であれば、普段何気なく買うドリンクと比べても値段はさほど変わらず、「薬」というより、健康ドリンクを飲むイメージに近いので、気軽に取り入れることができます。

実際、スーパーマーケットやコンビニでは、ソフトドリンクやウーロン茶と並んで、一部の代表的な涼茶がペットボトルや缶で販売されており、シンガポール人にとっては身近な飲み物の一つであることが伺えます。

効きすぎた冷房やヘイズで喉の調子が悪い、風邪を引いたわけではないのに体がだるい、そんなときは、ぜひ一度、涼茶を試してみてはいかがでしょうか?