3月21日、イギリスの新聞社「エコノミスト」の調査部門エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)により、今年の世界の生活費調査が発表されました。シンガポールは昨年度に続き生活費が最も高い都市となりました。
今年は日本からも2都市ランクイン。東京が4位、大阪が5位になりました。1位~20位までのランキングはこの通りです。
順位 | 都市名 | 昨年度の順位 |
1位 | シンガポール | 昨年度1位 |
2位 | 香港 | 昨年度3位 |
3位 | チューリッヒ | 昨年度2位 |
4位 | 東京 | 昨年度11位 |
5位 | 大阪 | 昨年度22位 |
5位 | ソウル | 昨年度8位 |
7位 | ジュネーブ | 昨年度4位 |
8位 | パリ | 昨年度5位 |
9位 | ニューヨーク | 昨年度7位 |
9位 | コペンハーゲン | 昨年度8位 |
11位 | ロサンゼルス | 昨年度8位 |
11位 | オスロ | 昨年度13位 |
11位 | テルアビブ | 昨年度14位 |
14位 | シドニー | 昨年度20位 |
15位 | メルボルン | 昨年度21位 |
16位 | 上海 | 昨年度11位 |
16位 | ヘルシンキ | 昨年度17位 |
16位 | レイキャヴィーク | 昨年度29位 |
16位 | オークランド | 昨年度38位 |
16位 | ウェリントン | 昨年度42位 |
中国のランクが下落しオセアニア地域のランクが急上昇
今年は上海をはじめとする中国の都市が順位を下げました。昨年度にくらべて北京、蘇州は順位を16ランク下げ、47位と69位になりました。原因は人民元の大幅な相場下落です。
一方、オーストラリアやニュージーランドの都市は、順位を大幅に上げました。オーストラリアのシドニーとメルボルンは、それぞれ順位を6位上げ14位と15位に。ニュージーランドのウェリントンに至っては26位も順位を上げ、16位になりました。
アジア地域の生活費が上昇しているのは何故か?
1位のシンガポールの他に、香港が2位、東京が4位、大阪が5位、ソウルが6位。驚くべきことに生活費が最も高い上位6都市のうち5都市はアジアの都市です。
昨年度は特に円高の影響で日本の都市のランクが上がったと推測されます。しかしイギリス、ドイツなどの欧米圏、デンマークなどの北欧圏と比較して、アジアの国々は本当にそこまで物価が高いのでしょうか。
調査機関である「エコノミスト」のはイギリスの新聞社です。そのため、調査そのものが欧米人の駐在員を対象にしたもの。物価の指標とする製品そのものが、欧米人が日常的に摂取するものばかりになる傾向があります。
たとえば、こちらの記事でも話題に調査対象になっているのはパン、ワイン、ガソリンの価格です。
このような欧米で生産され好まれる物価につては、アジアの国では輸入品となるため、欧米圏に比べて価格が高くなるのは当然です。
仮に日本の新聞社が日本から赴任する駐在員を対象にして調査した場合、調査対象が米、日本酒などの製品になり、地理的に日本から離れた欧米圏の物価が跳ね上がることが予測されます。
つまり、このランキングは、普遍的なものとは言えず、単に欧米企業が自国の欧米人を駐在させた場合に掛かる費用のランキングである、と認識した方がよさそうです。
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