日本では馴染みがないですがシンガポールでは旧正月を盛大に祝います。今年の旧正月は2月16日から1週間程度です。
旧正月(チャイニーズ・ニューイヤー)とは、旧暦(太陰暦)の正月のこと。中国だけでなく東南アジアでも祝われる祝日です。シンガポールのみでなく、マレーシア、ベトナム、インドネシア、ブルネイなどでも祝われます。これらの国では旧正月は国民の祝日となっています。
シンガポールでは元旦はマリーナベイ・サンズで花火があるくらいですが、旧正月は日本の新年のように盛大に祝います。したがって、シティ内のお店はほとんどが閉まる。営業している中華系の店も、通常よりも多めのサービスチャージを取る店が多いです。
レストランはもちろん、郊外のネイルサロンやヘアサロンも、この時期になると数パーセントのチャージを取る店が多いです。本来はゆっくり休む時期なのにサービスを提供している。特別チャージのようなものと認識するとよいです。
旧正月はどう過ごすのか?
旧正月(チャイニーズ・ニューイヤー)はシンガポール人はどのように過ごすのか。
この時期は会社も休みなので、海外旅行に行く人も多いです。但しシンガポールから出国する便の航空チケット代金は跳ね上がります。
それでも、特にシンガポールに出稼ぎに来ている中華系の人々は、母国(中国、台湾、香港)に一時帰国する場合が多いです。
シンガポール国内に留まる人は親戚で集まって自宅で旧新年を祝う人が多いです。特に中華系の人々は家族や親戚で集まって、食事やお菓子を食べたりして祝う人が大半です。
友人や親戚宅に持参するマンダリン・オレンジ!

在住外国人も中華系シンガポール人宅に呼ばれることがあります。その場合は、マンダリン・オレンジ(みかん)を二つ持っていくのがマナーです。この時期になると、マンダリン・オレンジはコンビニやスーパーなどで売りに出されます。
この二つのマンダリン・オレンジは「金」を意味します。持ってきた「金(みかん)」を友人宅(親戚宅)において、紅包(アンパオ)と交換します。
紅包(アンパオ)は厳密には意味合いが異なりますが、日本でいう「お年玉」のようなもの。シンガポールでは年長者や既婚者から、子供のみでなく未婚者の大人にも配られるのが一般的です。
持ってきたマンダリン・オレンジを他の訪問者のものと交換して、帰る時には他の人が持ってきたマンダリン・オレンジを持って帰ります。
食後には麻雀などのボードゲームをして楽しむことが多いです。ローカルのシンガポール人にとっては、この日に家族や親戚で集まって食事をとることが非常に大切です。
食後は魚生(Yu Sheng)
魚生(Yu Sheng)とは1960年代にシンガポールの料理人によって考案された刺身サラダです。現在では主に東南アジアの中華系によって食べられることが多いす。
あくまで、シンガポール、マレーシア、インドネシアなどの華人の風習です。中国本土ではこのような風習はありません。
旧新年の時期になると、魚生セットがフードコードやホーカーセンターなどで販売されています。シンガポールでは自炊する人がほとんどいないため、魚生(Yu Scheng)も購入する人が大半です。
しかし料理研究家の方が具体的な魚生の作り方を紹介している記事があったので、当サイトでも引用させていただきます。
INGREDIENTS/材料
魚生[イーシェン](4人分)
魚生(イーシェン/Yu Scheng)シンガポール・マレーシア旧正月のレシピサーモン(刺身用) 80g そぎ切り
鯛などの白身魚(刺身用) 80g そぎ切り[A]
人参 100g 極細せん切り
大根 100g 極細せん切り
生姜の甘酢漬け 40g せん切り
ピンクグレープフルーツ 4房
レタス 80g 極細せん切り
紫キャベツ 50g 極細せん切り
きゅうり 1/2本 極細せん切り[B]
ワンタンの皮(1.5cm角に切って揚げる)5枚
クコの実 適宜 (水につけて戻しておく)
ピーナツ 3-40g 細かく砕く
ゴマ 適宜[ドレッシング]
杏ジャム 大さじ1
ライムの絞り汁 大さじ1.5
はちみつ 小さじ1
練りゴマ 小さじ1
ごま油 大さじ2
五香粉 2つまみ
塩小さじ1/2
こしょう 適宜
魚生[イーシェン]の作り方
ドレッシングの材料を混ぜ合わせる。
お皿の真ん中にレタス、その周りにAの残りを盛り付け、最後にサーモンと鯛を盛る。
小皿にBをそれぞれ盛る。
ドレッシングをまわしかけ、小皿の材料を散らし、最後にお箸で高くつまみあげておとしながら全てを混ぜ合わせながら食べる。
魚生[イーシェン]の盛り付け&食べ方のポイント
魚生(イーシェン/Yu Scheng)シンガポール・マレーシア旧正月のレシピサーモンや白身魚の刺身と、大根、人参、キュウリなどの野菜の千切り、紅生姜やヤムイモを着色料で緑や真っ赤に色付けしたもの、ポメロなどが大皿に盛り付けられます。
魚生(イーシェン/Yu Scheng)シンガポール・マレーシア旧正月のレシピ
▲ワンタンの皮をあげたものなど歯ざわりの良いものも添えてサクサク頂きます。そこにワンタンの皮を揚げたものや、ピーナッツを砕いたもの、五香粉、ゴマ、甘酸っぱいプラムソースなどを回しかけます。
シンガポールでは「Huat ah(ファッター)」「Gong Xi Fa Chai(ゴン・シー・ファー・ツァイ)」と言いながら混ぜ合わせます。
刺身サラダをできるだけ高く、ぐちゃぐちゃに混ぜ合わせると良いです。混ぜている最中は好きな願い事を言います。お金持ちになりたい、ビジネスで成功したい、昇給したい、などの金銭に関係する願い事をするのが一般的です。
まとめ
旧正月は、シンガポール在住者ならシンガポール人宅を訪問すると新鮮な経験ができるでしょう。しかし旅行で来る場合は、なかなかそういった機会を持つことは難しいかもしれません。
旧新年の時期にシンガポールに旅行に来て、ほとんどの店が閉まっていて閑散としていてがっかりだった、という話もよく聞きます。この時期は確かに何もなくて退屈です。他国へ逃げるように国外へ旅行するシンガポール人や在住者も少なくありません。
しかし特にチャイナタウンエリアでは、普段のシンガポールとは違った装飾を楽しますし、この時期だけ無料で開放される博物館などの施設もあります。
上記のサイトでは、入場料無料はシンガポール人あるいは永住権取得者のみである、と記載がありますが、「プラナカン博物館」「シンガポール国立博物館」「ナショナルミュージアム」などの人気の施設は、外国人に対しても無料だったという例も聞きます。
旧正月(チャイニーズ・ニューイヤー)にシンガポールに旅行する場合は、外国人に対しても無料なのか施設のホームページで確認して目星をつけるとよいでしょう。街中は閑散としていると覚悟する必要もあります。
現地在住者はぜひ中華系シンガポール人宅の訪問にトライしてみましょう。
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