クレジットカード付帯の海外旅行保険の保険金請求方法と裏技を紹介する。

どうも、底辺現地採用ブロガーのXin(しん)です。

当記事の内容は自身のブログでも書いた事があるのですが、ここでは読みやすくなるよう多少リライトしています。

むかし、自分は海外旅行保険に携わる仕事をしてた事があります。保険営業等ではなくて、保険金書類査定のような業務。

病院や被保険者から請求書が送られてきて、保険約款(規定)に則って、保険金が出せるかどうかチェックする仕事です。

保険金と言っても、ただの海外旅行保険の査定をするエージェントで、勤め先が三井住友海上、損保ジャパン、日本興亜などとパートナーな感じです。

「保険金請求に関する知識があるから便利だよね?」と思うかもしれませんが、両親お陰もあって自分は丈夫な身体をしてます。

むかし「健康診断結果=合否の結果」といっても過言ではない青年海外協力隊(JICA)の応募した際に、医師に「あなたはどこの国にでも行けます」と太鼓判を押されたほど。

そのため、この知識を自分自身で使う機会がないので、今回は当記事で情報を紹介しようと思います。

自慢にもならないですが「携行品請求の保険金詐欺ぐらいできる知識がある」と自負してます。そんな面倒な事するくらいなら株でも買ってた方が儲かるので、絶対に保険金詐欺なんてしないですけどね、犯罪ですし。

何処の海外旅行保険に加入するか

海外旅行保険を取り扱う会社は「東京海上」「三井住友海上」「損保ジャパン」「日本興亜」ど様々あります。何れも相場は1年以上の留学で15~40万円くらいです。

どの会社でも同じと思うかもしれないですが、実際に怪我や病気をした場合の保険金査定の緩さや厳しさは、会社によって随分と違います。

結論から言うと、査定が甘く査定者さえ皆「加入したい」と声を上げていたのは日本興亜の保険。

保険金は何も怪我や病気のみではなくて携行品に関するものもある。特にそういった非医療案件で緩さの度合いが明白になります。

特に日本興亜の請求は「こんな嘘くさい請求で保険金だしていいの?」と思わされる事が多かったです。東京海上とは関わりが薄かったですが、日本興亜より甘々で何でも支払うという噂が社内で回ってました。

逆に基準が曖昧で客からのクレームが多かったのが、あいおいニッセイ同和です。

保険金査定者としても、会社の基準が分からないし変に基準が厳しい。被保険者に保険金は出ないと説明する必要が多かったから一緒に仕事をしていて大変でした。

当時あいおいの、日本ロードサービス保険のレビューを見ても、クレームが被保険者の恨みつらみが行間から読み取れました。もし自分が加入するなら、あいおいニッセイ同和は絶対に避けます。

保険金を払うか払わないかの基準が明白で、最もまともな保険会社は三井住友海上。

査定する人間としても最も信頼できるパートナーのような保険会社でした。会社のイメージや業績なんかも考えると間違いなく三井住友海上。株を買うとしたら自分なら三井住友海上を買いますね。

上記を纏めるとこんな感じです。

  • 東京海上日動火災保険:緩いらしい。
  • 損保ジャパン日本興亜(旧日本興亜):明らかに緩い。
  • 三井住友海上火災保険:普通。ちゃんとしている。
  • あいおいニッセイ同和損保:厳しいし基準がよう分からん。

とはいえ、こういった情報は当時の担当者によって基準が大きく変わり、随分昔に海旅を担当していた人の基準なので、その点には留意してください。

特に「あいおいニッセイ同和」は、現在は「三井住友海上」と共にMS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社の傘下になっているようなので、現在は問題なくなっているかもしれません。

ちなみに海外旅行保険は、基本的に「旅行保険」なので海外在住者は本来は対象としません。にも関わらず海外駐在員の福利厚生として含まれている事が多いですよね。

保険会社のスタンスとしては「本当はダメだけど出国時と、保険更新時だけ駐在でも大目にみてあげるよ」と言った感じです。

海旅付帯クレジットカードの知識

以上のように海外旅行保険のことについて書いてきましたが、ぶっちゃけ3ヵ月~半年の海外滞在であれば加入する必要はないです。

なぜなら海外旅行保険が付帯クレジットカードでカバーできるからです。

今では特に、年会費の高いゴールドカードやプラチナカードにはほとんど保険が付帯してます。

しかし海旅付帯クレカでも「あいおいニッセイ同和」引き受け海旅付帯クレカと、「日本興亜」引き受けの海旅付帯クレカを持っているのでは、安心感が違うかもです。

たとえば、海旅付帯クレカには自動付帯と利用付帯の2種あり、違いは…

  • 自動付帯カード:日本を出国した時点で2~3カ月の保険が付帯される
  • 利用付帯カード:日本を出国するまでの公共交通機関(航空券、タクシー、バス)の支払いをカードですれば出国後2~3カ月の保険が付帯される

というような感じです。ここであなたが利用付帯カードだけしか持っていなくて…

  • 日本出国前にタクシーで空港まで行った(領収書あり)
  • 日本出国のための航空券は保険付帯ではないカードで支払った

という状態だったとして、不運にも旅行先で風邪を引いて病院に掛かったとしましょう。

その際に利用付帯カードの引受会社が、ゆるい保険である日本興亜だったら、出国前のタクシー代領収書を添付すれば保険金が出るが厳しい保険あいおいニッセイ同和の引受ならば保険金がでない、なんてケースがあるかもしれません。

その場合、あいおいニッセイ同和での保険金支払い不可の理由は「該当タクシー代領収書が今回の旅行のためのものかどうか分からない為」なんて感じかも。

イメージとしては大体これぐらいの違いが出てくる感じです。実際に上記のようなケースがあった訳ではなく、あくまでイメージですが。

ちなみに三井住友海上の場合は、約款に明記されていれば問題なく降りるといったイメージです。

海外旅行保険の保険金請求方法

海旅付帯カードを最大限活用するには保険金請求方法を知っておく必要があります。査定者は保険金請求の書類を見て査定するので書類は超大事です。

という訳で具体的な保険金請求書方法を案内していきます。

必要書類はどこの損保も同じす。たとえば海外旅行保険の利用付帯カードで疾病案件の場合は必要書類はこんな感じ。

  1. クレジットカード利用明細書(航空券代領収書)
  2. 日本出国印(パスポートのハンコ)
  3. 保険金請求書(損保によって違う)
  4. 治療費領収書(高額な場合は診断書も)
  5. 交通費領収書(病院に行くためのタクシー代など)

自動付帯の場合は「1」は不要。カードではなく海外旅行保険に加入している場合は「1」「2」のかわりに「保険証書」を添付します。

日本出国印について、最近は自動改札ゲートを通る人が多いですが、その場合でもエージェントで一手間かけて出国確認します。とはいえ海外で病院に行く機会が多い人は、面倒でも出国印を押して貰った方が手続きがスムーズです。

カード付帯の保険は大概が出国スタンプから3ヶ月(カードによって違う)。先ずここを理解しておきましょう。

査定者からすれば、海旅付帯カードでの請求がある場合、「1」の購入日や旅程の日付を見て「2」と照らし合わせて出国日を確認。「この日(出国日)から2~3カ月の保険期間だな」と査定する訳です。

知らない人も多いですが、海外旅行保険で病院に掛かる際は、医療機関までの往復交通費も請求できます。

病院までタクシー等を利用したのであれば、タクシー代領収書も一緒に添付するとよいです。

その際、タクシー代領収書の上に鉛筆などで「自宅→病院」「病院→自宅」とか「外出先→病院」「病院→自宅」なんて書いてから提出すると、査定者は大変助かります。

自動付帯より優秀な裏利用付帯クレカ

利用付帯カードは、日本出国前に公共交通機関やツアー代金(殆どの場合、航空券代金)をクレジットカードで決済し初めて出国後に保険が付帯します。

そのため、何もしないでカードと一緒に出国するだけで付帯する自動付帯(「1」の書類は不要)は、利用付帯カードより優れているのが一般的です。

ところが、日本出国後に旅行目的でカードを利用してから2~3カ月の間、保険が付帯する利用付帯カードもあります。便宜上その利用付帯カードをここでは「裏利用付帯カード」と呼ぶことにします。

海旅付帯カードのヒエラルキー
裏利用付帯カード > 自動付帯カード > 利用付帯カード

裏利用付帯カードを利用した保険金を請求も、必要書類は、普通の利用付帯カードと変わりません。

しかし、出国後に利用した旅行のための交通費用等になるので、ほとんどの場合タクシー代領収書で請求する事になります。

  • クレジットカード利用明細書(出国後のタクシー代領収書
  • 日本出国印(パスポートのハンコ)
  • 保険金請求書(損保によって違う)
  • 治療費領収書(高額な場合は診断書も)
  • 交通費領収書(病院に行くためのタクシー代など)

本来は出国後はじめて旅行のために使った公共交通機関の領収書という事になりますが、保険会社に提出しなければバレません。

つまり裏利用付帯カードは、出国後いつから海旅保険の付帯を開始するか自分でコントロールできるところに旨みがある訳ですね。

自動付帯カードの保険期間は殆どが3ヶ月(若しくは30日)。裏利用付帯の保険期間も、カード利用時から3ヶ月(若しくは30日)というものが殆ど。

なので、これらのカードを組み合わせると…

出国

(自動付帯カード保険)

3ヶ月後(現地でタクシー利用/裏利用付帯カードで決済)

(裏利用付帯カード保険)

6ヶ月経過

というような感じで、保険を購入せずとも半年間の保険に加入するのと同じ恩恵に被ることができる訳です。

年会費無料の裏利用付帯カード 

残念ながら世の中に出ている利用付帯カードは、ほとんどが出国前に利用しないと付保されない普通の利用付帯カードばかりです。

しかし数は少ないですが裏利用付帯カードもあり、中には年会費無料のカードもあります。紹介した裏技が使える裏利用付帯カードを以下です。

リクルートカード

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・年会費:永年無料
・付保額:100万円、携行品20万円
・引受会社:日本興亜
・その他:JCBとVISAから選べる。どちらも裏利用付帯として利用可能。
リクルートカード公式HP

JCBカードエクステージ

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・年会費:無料(29歳以下のみ所持可能)
・付保額:100万円、携行品20万円
・引受会社:日本興亜
・その他:29歳以上は年会費1,250円掛かるけどJCB一般カードが所持できます。これも裏利用付帯です。
JCBカードエクステージ公式HP

ベルメゾンメンバーズカード

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・年会費:永年無料
・付保額:50万円・携行品15万円
・引受会社 三井住友海上
・その他:ベルメゾンはJCBカードもあるけど裏利用付帯はVISAのみ
ベルメゾンメンバーズカード公式HP

以上3つのカードが裏利用付帯で年会費無料のカード。しかし実際に自分も過去に査定していて、ベルメゾンカードの裏利用の案件は取り扱ったことはないです。

JCBエクステージのものは取り扱ったことがあります。リクルートカードは…覚えてないですが、引き受け会社は最も査定がゆるい部類の日本興亜なので、JCBエクステージと同じノリで請求すれば大丈夫でしょう。

とはいえ、何度も裏利用として取り扱ったことのあるカードはこの中には含まれていないです。そもそも、裏利用付帯カードみたいなマニアックな請求方法を知ってる人も少ないので、この類のカードを利用した請求自体も少なかったんですよね。

しかし、そのなかでも比較的多いなと思っていて、同僚とも「このカード欲しいな!」といっていたのが以下のカードです。

三井住友VISAカードクラシック

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・年会費:税抜1,250円(インターネット入会で初年度無料)
・付保額:50万円
・携行品15万円
・引受会社:三井住友海上
・その他:「マイ・ペイすリボ」というリボ払い的な設定をして買い物をすることで、翌年度の年会費も無料になる。
三井住友VISAカードクラシック公式HP

改めて年会費や付保額を確認してみると「案外と少ない」と思いましたが、何故か「三井住友VISAクラシック」を使った裏利用付帯の保険金請求は比較的多かったです。

この洒落たデザインのカードは「裏利用付帯カードの代名詞」として記憶してたぐらい。なので同僚とも「これ欲しいね」とよく言ってました、たぶん(笑)

複数枚カード持ってたら治療費用は合算可能

裏利用付帯カードを中心に紹介しましたが、裏利用付帯の唯一のデメリットは、各々のカードの付保額が少ない事です。

たとえば、シンガポールで入院などしようもんなら、三井住友カードVISAクラシックの50万円なんて一瞬で吹き飛びますよね?

しかし、海旅付帯カードの付保額は合算可能で、裏利用付帯カードについても例外ではありません。複数枚所有していて出国後に同時利用すれば、保険付保額は合算できます。

極端な話、紹介した4つのカード全部ゲットして、同じような時期にタクシー代を利用したら、合計の傷害・疾病の付保額は300万円という事になります。

海外在住者でも日本クレカは作成可能

以上、色々思い出しながら書きましたが、当の本人である自分は、リクルートカードしか持っていませんし、自分のために使用した事がありません。

滅多に病気にならないし、病院に掛かっても会社の保険でキャッシュレス受診なので、使う機会がなかった感じです。

とはいえ現在シンガポール在住の人も、カード保険は「無いよりは有った方が良い」ので、一時帰国する機会などあれば作っておいても良いのではないかと思います。

ちなみに「海外在住で日本のクレカ作れるの?」なんて疑問に思う人もいるかもしれませんが、カード会社からしたら、使った費用を滞りなく払ってくればそれで良い。

なので収入の多い(イメージ持たれる)シンガポール在住者は、海外勤務で収入がある事を明記し、カード申請すると良いと思います。

自分もシンガポール在住している事を明記したうえでリクルートカードの審査に通りました。

その際にメモ書きとして「海外在住で面倒くさくて申し訳ございません。しかし必ず利用代金は払いますので、なんとか承認頂けないでしょうかm(_ _)m、〇月〇日以降、+65——–まで連絡いただければ、いつでも電話をとれます。」と書いた記憶があります。

実際にシンガポールで確認電話を受信し、ほどなくカードの審査がおりました。

※当投稿の内容は、あくまで個人の経験に基づいた情報です。当ブログに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねます。予めご了承ください。







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