「虎に喰われるか、男に喰われるか?」歴史教科書には載っていない過去の日本人女性たちの存在!

どうも、元アメブロユーザーのXin(しん)です。

むかしサイバーエージェントが運営のスポットライトというメディアで記事を書いていた事がありました。

当時アメブロで、中華系シンガポール人と結婚した日本人女性の「シンガポール発、国際恋愛ライフ」というブログにハマっていてました。

というのは、このブログがシンガポール人の性格、文化、風習などを見事に表現していて共感できる内容が多々あったからです。

ある日、すごく興味深い記事を見つけたのですが、アメブロのUIがショボすぎて、大して読まれてないエントリーなってました。

そこでアメブロ経由で「スポットライトで転載してもいいですか」と本人に確認。許可を頂いて記事を転載。

するとその記事はたちまちに拡散され最終的に64万PVにまでのぼりました。ところが、例のWELQ事件でスポットライトは大半の記事が非表示に。

本人の該当のブログエントリーも消えてしまっているので、今はその記事を閲覧することができません。

そこで今回は、その記事を紹介したいと思います。

虎に喰われるか、男に喰われるか?

「虎に喰われるか、男に喰われるか?」歴史教科書には載っていない過去の日本人女性たちの存在。

第二次世界大戦前、大勢の日本人女性がシンガポールを訪れたことをご存じですか?

彼女たちは一般的に「からゆきさん」と呼ばれています。語源は、【から「唐=外国」+ゆき「行き」さん】。

からゆきさんとは?

http://www.zaeega.com

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彼女たちは主に西日本の海沿いの村出身で、(熊本県の天草や長崎県の島原地方が有名)明治時代から大正時代にかけて、貧困層出身の娘たちが東南アジアや旧満州、シベリアなどへ売り飛ばされました。

その殆どが「景気のいい○○でいい職があり一儲けできる」と日本人の斡旋人に騙され、実際現地に降り立ってみると娼館だった、という許せない話です。(中には売られると知って渡航した人もいたらしいです。)

既に船賃や飲食代、売られたときの借金が当時の価値で500万円くらいに膨れ上がっていたので、帰りたくても身体で払わなければ帰れない…

更に多くのからゆきさんは、伝染病や性病で早くに命を落とします。平均寿命は20歳くらいだったんだとか。

シンガポールのからゆきさん

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ブギスジャンクション内にあるハイラム街とマレー街が三叉路になっている場所、そこは1877年に最初の娼館ができ、1904年には娼館の数101軒、からゆきさんの数は902人までに昇ったそうです。

シンガポールは当時から貿易の要所で、ヨーロッパから東アジアへ向かう中継地でした。多くの欧米人などの船乗り、旧植民地管轄のイギリス人がメインのお客様でした。(中には留学へ向かう日本人や日本軍兵士もいたとか)

作家、サマセット・モームがラッフルズホテル滞在中に書いた一人のからゆきさんについての記述が印象的です。

外地で命を落としたからゆきさんは、各地にある日本人墓地に埋葬されました。シンガポールはセラングーンにある日本人墓地が有名です。第二次大戦後しばらく荒れ果てていましたが、日本人会が整備し直しました。現在も無料開放されています。

国民の恥…

第一次世界大戦で戦勝国だった日本は急速に工業化が進み、国際政治における日本の国勢が盛んになるにつれて彼女たちの存在は「国民の恥」となりました。そして遂に1920年には「廃娼令」とともに海外に点在する日本人娼館も廃止になりました。

帰国したからゆきさん

廃娼令後、一部のからゆきさんたちは帰国を果たしました。(現地で家庭を持ち、妻や妾になった人もいます。)地元で家を建て直したり、学校を建設したり村の発展に貢献しましたが、彼女たちはその職業もあってか地元では歓迎されず、殆どがまた異国や国内でも他の地域に転居してしまったそうです。

http://www.zaeega.com/

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まとめ

彼女たちの人生は想像を絶するものだったと思います。シンガポールのからゆきさんで、マレーシア方面へ脱走を謀った人が後を絶たなかったとか。

ジャングルに脱走して、

「虎に喰われるか」

それとも戻って、

「男に喰われるか」

その多くがジャングルへの脱走を選んだそうです。

歴史の教科書では記載されていなかった彼女たちの存在。(今はどうか分かりません)からゆきさんの事実は「戦前史の恥」として歴史から抹殺するのではなく、日本の近代史を知るには、なくてはならない存在だと思います。

シンガポール人男性
「貧困がなくならない限り、娼婦は途絶えないだろうね…」

昔は日本でしたが、現在タイ、中国、インドネシア、フィリピン、ベトナム…たくさんのアジア人女性が犠牲になっています。

勧誘の笑顔の裏には悲しい現実があります。一部麻痺している人もいますが、大半は一生深い傷を負って生活しなければならない人たち。今後、私たちに何ができるんだろう?

からゆきさんについて描いた映画があります。1974年公開と古いですが、観る価値あり。からゆきさんを演じた田中絹代さんが、ベルリン国際映画祭最優秀女優賞を受賞しています。

サンダカン八番娼館 望郷 – Wikipedia

『虎に喰われるか、男に喰われるか』

※この記事は「シンガポール発、国際恋愛ライフ」の著者より許可を得て転載させて頂いております。







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